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4. SMILE

本作のリード・チューン。「CRY CRY CRY」の次に「SMILE」という対照的なタイトルのナンバーが続くのが中島卓偉らしい、と言ったところか。アレンジ面では前曲に引き続きクラブミュージック的なアプローチが取られている。

70年代ロックに捧げた「SYSTEMATIC」というナンバーもあれば、こういった00年代特有のニュー・レイヴ的なロックも内在するのが、この『SMILER』もとい、中島卓偉の面白いところ。まぁ、そういった多芸ぶりがかえってリスナーを混乱させるかもしれないが・・。

ビートルズの「Nowhere Man」を意識した様なブレス音まで聞こえるアカペラからはじまるオープニングは「CHANGE MY WORLD」か?と錯覚してしまいそうだ。リード・トラックだけあってコマーシャリズムを意識し過ぎたのか、ポップさを全面に押し出したシンセ音や、転調直前の効果音などが装飾過多な印象が。もう少しシンプルなアレンジで勝負しても、原曲のもつメロディーラインが損なわれることはなかったはずだ。

05.さすらいのGUITAR MAN

重厚なギターのストロークから始まるアイリッシュパンク、またはカントリー・ロック…なのだが、イマイチ染まりきれていない。なぜなら、核となるはずの間奏のバクパイプとフィドルのセクションが安易にサンプリングで片づけられおり、当然ながら生っぽさが削ぎ落とされているからだ。制作費や人材の不足など、大人の事情が裏にあるのは間違いないとしても、いつの日かスコットランド辺りから生のパイプ・バンドを招聘してリテイクしてもらいたいものだ。

曲構成は原形ではドラマチックなサビがあったそうだがカットし、シンプルな構成で押し切ったそうだ。こういったケースは過去にもあり「MUST BE STRONG」、「ABSTRACT(完全な相関性」もサビを排除した楽曲である。

ライブを意識したような卓偉のシャウトも久々に聴ける。こういったライブを模倣する演出は「BE MY BABE?(ROCK OF THE LIFE)」、「HELLO MY FRIENDS」など05年の作品において多々みられたが、佐橋プロデュース以降封印されていた。

何度が挿入される「シュビシュビ リンリン ブーヤ ブーヤ」という不思議なフレーズが呼び起こす非日常性が、ジョン・レノンの「♯9 dream」における Ah! bowakawa pousse, pousse、ビートルズの「I Am the Walrus」における Goo Goo Goo Joobらのフレーズと通ずるものがある。

06.コードネーム 1091

ノリの良さでは本作で他の追随を許さないアップテンポなロックンロールなので、THE SMILERSツアーでは本編ラストに置かれ、その真価を発揮したことは記憶に新しい。

性急とさえいえる疾走感、しかし流れに足をすくわれることのないメリハリの効いた歌とノリ。スパイ風味の歌詞の題材と、それに引っ張られた形のアレンジが功を奏している。

特に二回目のサビから舞い込んでくるピアノ(U2っぽい?)が下手をすると単調になりかねない3コード主体のロックンロールをドラマチックな楽曲へと昇華している。このピアノが有ると無いでは楽曲のクオリティが全く異なるだろう。

歌詞の物語がクライマックスに進むに従ってアレンジも変化していくという、わずか3分18秒のキャンバスに幾重にも色を重ねていく油絵のような一曲だ。

主人公であるコードネーム1091(takui)が奪ったマイクロチップの中身が何なのかを明かさないところが往年のスパイ映画の本質を熟知しており微笑ましい。

07.はじまりの唄

なんという逸品なメロディーだろう。ラストに収められた「はじまりの唄」はアップテンポな楽曲ばかりで構成されたアルバムの中でひっそりと咲く一輪の名花である。『20's CALBORN』の副産物であり「あなたの空になりたい」と同系統ともいえる洋楽チックなバラードなので、お互いを相殺する可能性を危惧して収録を見送ったのだろうか。

ビートルズを意識した60年代サウンドがノスタルジックなムードを醸し出し、さらにはピアノが右チャンネル、ドラムが左チャンネルからしか聴こえないという徹底ぶり。

ハイファイな音ばかりが蔓延した現代の音楽シーンに全く添い寝していないバラードだが、こうしたこだわりこそが重要で、クラシカルなふくよかさを曲全体に与えているのだ。アウトロで聴ける口笛も愛らしい。

後半、それまでハーモニーで構成されていたヴォーカルが主旋だけになりドラマチックな盛り上がりをみせるパートもあるが、全体的には良いい意味で“スケールの小さな”バラードに納めることに成功している。


一人の女性へのもどかしい片思いを歌った「恋の一方通行」で始まったアルバムは、不特定多数の人々に歌われているラブソング「はじまりの唄」で終わりを告げる。物語風の歌詞や三人称を扱った歌詞が多い中、オープニングとエンディングがラブソングに統一されているのが興味深い。

最後にひとつ付け加えるとすれば、、、このエヴァーグリーンな輝きを放つナンバーを聴くと、卓偉がどこかへ行ってしまのではないか、もう私たちリスナーの前に戻ってこないじゃないか、という不安に襲われたことが何度かある。口笛を吹きながら卓偉が何処へ消えさる絵が脳裏をかすめるのだ。考えすぎだといいのだが・・・。

「離ればなれになる事は決して 別れることじゃないから こんなに素晴らしい出会いはないよ あなたに逢えてよかった」



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コメント

こんばんは。こちらにもお邪魔してさらにコメントも残して
みました。
レビュー、大変お勉強になります。
いつも感心して時々悩みながら(音楽に詳しくないので・・)読んでますww

最後のところを読んで急に不安になっちゃいました。
そんなことないよね??
2008/01/19(土) 22:03 まっつー URL [編集]

まっつーさん、こんばんわ!

「極度のミーハーファンがどこまで評論家っぽく書けるのか」

をテーマに毎回レヴューを作成してるので、今回も不眠不休の努力を重ねました(笑)

>最後のところを読んで急に不安になっちゃいました。
そんなことないよね??

不安にさせてすいません・・・。たぶんただの勘違いですから!

ただ、初めて「はじまりの唄」を聴いた時、意味深な歌詞だなーと思ったんですよ。なぜこのタイミングでファンに感謝の気持ちを歌うのかな?と。アルバムがオリコン73位だったのも気がかりですし・・・。

アキオの思い違いだといいんですが・・・そうじゃなかったら本気で泣きますよ(涙)


2008/01/20(日) 01:18 アキオ URL [編集]







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プロフィール
 

アキオ

Author:アキオ
びびっ!とキタものを Vivid(鮮やかに) 紹介していきます☆★


*中島卓偉*プロフィール

1978.10.19 / 福岡県出身/ A型

バンド活動を経て、“TAKUI”として1999年ソロデビュー。

抜群の歌唱力と圧倒的なライヴ・パフォーマンス、そして稀代のソングライティング能力には業界内・外からも定評がある。

●最新シングル
『3号線』
発売中!

●デビュー10周年記念アルバム『BEST YOURS』
~TAKUI NAKAJIMA Anniversary 1999-2008~
発売中!!←はじめて卓偉の音楽に触れるひとにオススメ!ぜひ聴いてみて♪

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