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『ストレイト・ストーリー』 1999年 米

監督:デヴィッド・リンチ
脚本:ジョン・ローチ、メアリー・スイニー
出演:リチャード・ファーンスワース、シシー・スペイセク、ハリー・ディーン・スタントン

● あらすじ●アイオワ州に住む73歳のアルヴィン・ストレイトは、娘ローズと2人暮らし。ある日、仲違いをした兄ライルが心臓発作で倒れたと電話が入る。アルヴィンは周囲の反対を押し切り時速8kmのトラクターで約500km離れた兄の家へと向かった…。

 『マルホランド・ドライヴ』や『ツイン・ピークス』に代表される、奇怪でビザールな世界を描いた作品を次々と世に送り出している鬼才・デヴィッド・リンチ。そんな彼のキャリアの中でも特殊な位置に属するのが今日紹介する『ストレイト・ストーリー』。
 ストーリーはいたってシンプル。ストレイトという頑固者の爺さんが、病で倒れた兄をトラクターで会いに行くお話し。文字通りストレートなストーリーだ。
 
 リンチの監督作はプロットが幾重にも入り組み、構造的な世界観を持った映画が多くを占める。執拗なまでに不可解で不気味さがスクリーンにこびりつく恐ろしさが魅力だ。
しかし、本作はどうだろう。カメラワークや登場人物のセリフもシンプルに削ぎ落とされている。無駄な装飾など皆無。だが、どんな芸術にも言及できるがシンプルなものを作るのは一番高度な技術が要求されるのだ。
 おそらくキワモノ映画作家としてレッテルを貼られていたリンチは「俺はこういうフツーな映画も撮れるぜ」という意思表明を掲げて、この映画の製作に取り掛かったのではないだろうか。
 よって、これは路線変更ではない。『ストレイト・ストーリー』の次回作である『マルホランド・ドライヴ』は従来のダークなリンチ・ワールドに帰結していたからだ。(近年公開の新作も不条理サスペンスらしい・・・)。

 オープニングの俯瞰ショットから察しがつくが、物語全体がかなりスローペース。この「緩さ」は小津安二郎の影響もあるのだろうか。父親が主人公という点も似通っている。小津を尊敬している作家といえばヴィム・ベンダースが挙げられるが、ベンダース作品の大半はロード・ムービーが多い。
 
 ベンダースとリンチ。普段の作風は全く異なるが、この『ストレイト・ストーリー』はロードムービーというジャンルなのでリンチが比較的、ベンダースに接近したものだと感じる。勿論、その背後には巨大な“小津”という偉大な影響があるのは確かだ。

 よって若干、退屈・・・と感じてしまうシーンもあった。それを補ってあまる程の洗練されたセリフが魅力的なのだが、ちと「泣かせ」を狙った感もあり、興醒めしてしまった。後半、主人公と偶然出会った老人が酒場で会話する戦時中のエピソードが変に押しつけがましく感じられた。
 本来ならこのシークエンスが映画の山場なのだろうが、その狙った感がどこか鼻について感傷的になれなかった。ベタな再現フラッシュバック映像を挿入されたら、もっと陳腐なシーンに感じただろう。
だが、私より年輩の人物がこのシーンを観ると共感できるかもしれない。老兵の痛みや苦しみは、未だケツの青い坊主には理解できなかったということか。

 他に欲を言えばシシー・スペイセク演じる娘にもっとスポットを当てらよかったのでは?脇役にしてはもったいない程、抜群の演技をしていると唸らされた。

「兄弟の絆」、大きく言えば「家族の絆」、「人との関わり」、そして主題である“旅”が意味する「老いた男の人生」とこの3つのキーワードが私の心に引っ掛かった。

しかし、これらは特に潜在的なものではなく、いたって表面的なテーマだ。(松本人志はこの映画のことを“サンタクロースの話”、と比喩的に表現していたが)。

 私がこの映画に良い印象を抱けなかったのは、一度観ただけでテーマがわかる様な、ストレートさがリンチらしく無く、シックリこなかったのだと思う。鑑賞後、こころの何処かにシコリが残るのがリンチ作品の醍醐味のはず。あー!もう一回『ブルー・ベルベット』と『マルホランド・ドライヴ』が観たくなってきた!!

今日の名言「シックリこなかったのはシコリがなかったからだ」。

『ストレイト・ストーリー』の評価 ★★☆☆☆



 
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アキオ

Author:アキオ
びびっ!とキタものを Vivid(鮮やかに) 紹介していきます☆★


*中島卓偉*プロフィール

1978.10.19 / 福岡県出身/ A型

バンド活動を経て、“TAKUI”として1999年ソロデビュー。

抜群の歌唱力と圧倒的なライヴ・パフォーマンス、そして稀代のソングライティング能力には業界内・外からも定評がある。

●最新シングル
『3号線』
発売中!

●デビュー10周年記念アルバム『BEST YOURS』
~TAKUI NAKAJIMA Anniversary 1999-2008~
発売中!!←はじめて卓偉の音楽に触れるひとにオススメ!ぜひ聴いてみて♪

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