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更新が遅れて申し訳ない。かなりレヴューを書くのに時間がかかってしまった。その分かなり濃い評論が完成したので十分に楽しんで読んでいただきたい。ではB面、ということで7曲目~12曲目+ボーナストラックを紹介していく。

07. 傘をささない君のために

本作において最も冒険的な一曲。まさかソウル・ナンバーだとは思ってもいなかったので意外だった。むしろ最初は戸惑ってしまった。私自身、こういったAORとも呼ばれるジャンルには手をつけたことがなかったからだ。自らの音楽的教養の無さに唖然としつつも、リピートする内にこの独特な温かみのある楽曲に心を奪われていったのも事実。
 B面ラスト・6曲目の『雨が降る』で雨に打たれ、7曲目のこの曲で聴く人に傘をさしてあげる、そんなストーリーが構築されている様だ。歌詞もTAKUI作品の中で顕著に見られた、男気溢れるサディスティックな言葉使いではなく、母性的な優しさを全面に押しだした内容になっている。「雨が降る」で16歳の頃の自分=少年時代=TAKUIと決別し、この「傘をささない君にために」で現在の自分=中島卓偉と対峙する。それは前アルバムに収められた「鼓動」の内在的な思想、“少年と大人の狭間で揺れ動く心理的なやりとり”を二分化させたものだろう。「雨」に降られたのは「君」ではなく、TAKUI本人だったのではないのか。そしてびしょ濡れの姿を「傘」で擁護する中島卓偉。過去の自分を客観視することができる精神力、それは紛れも無く大人への入り口だ。

「たったひとり傘もささずに ずぶ濡れになった強がりを誰も責めはしないから」

08. イミテイション・ボーイ

曲自体が「ピアス」のアンチ・テーゼとして機能している。それは「本気で恋してんのに まるで ボクはアクセサリー 気まぐれに 着け変えられ いつしかどこかに棄てられる」という歌詞から読み取れる。2001年、「ピアス」発表時、卓偉はこのシングルについてこう語っていた。「数あるアクセサリーの中でピアスはその人の皮膚を貫通し、一体化するもの。これを男女の恋愛関係に例えた」と。そう、あなたのピアスになりたい、と歌っていた卓偉が、「都合のいいオモチャ」としてかつてのロック・スター像を戯画化したのだ。しかし、「ピアス」を否定している訳ではない。第一作詞は加藤ひさしさんである。そして先月一夜限りで復活したオールナイトニッポンでも「ピアスは最高傑作」と、自負していたではないか。サウンドも60年代ロック+ジュリーが歌いそうな歌謡曲である。自らのイメージを払拭しようとする中島卓偉を窺える一曲。

「本気で恋してんのに まるで ボクはアクセサリー 気まぐれに 着け変えられ いつしかどこかに棄てられる」

09. 僕に絶えず呼びかける

懐古にも似た哀愁と現状から一歩踏み出そうとする力強さが同居する楽曲。この現在の卓偉の心境にピッタリな歌詞は本人が書きたくても、あまりにストレートすぎて書けなかった題材だと思う。ビリー・ジェエルや、ポール・マッカートニーが得意とするタイプのバラードだろう。サビのオルガン(?)が幻想的な雰囲気を味付けしている。歌モノとしては文句なしの完成度だろう。


「定められたルールよりも 失敗という財産を いつも抱いて進みたい 歩みは遅くとも」


10. 「ヒキガネ」

技巧的なギターのカッティングと、うねるようなベースラインがかっこいいラテン・テイストナンバー。チャイニーズ・チックな要素も入っている気がする。その全てを統制するのが表現力の高いヴォーカル。やはりどんなジャンル曲も歌えるシンガーなのだ。歌詞はエロティックに徹し、「ランブレッタ」や「PASSION HIP LADY」等、卓偉が書く露骨な「エロさ」ではなく、男女の駆け引きとも言えるアダルトなエロスが行間から感じられる。アダルトかつオリエンタルなムードにカタルシスを味わうこと間違いなし。

「憂鬱になれるほど好きだよ ひさまずく Ooh~君だけに」
(注*『Ooh~』って部分が昭和っぽくてなんか好き)。

11. 愛しい人よ

個人的に本作品のベスト・トラック。本人も気に入っているそうで、卓偉らしいのに卓偉らしくないメロディラインが新鮮。オーラス的な曲なのにアレンジが大袈裟でない所が佐橋プロデューサーらしい。恐らく次のライブのラストナンバーであろう(そうであってほしい)。これほどまで素晴らしい名曲が含まれているアルバムがオリコン初登場36位なのは悲しい。

「そっと後ろから抱きしめてた それしか出来なかった僕に」

12. 'Cause I MISS YOU

まさかアルバムのラストを飾る曲がこの「'Cause I MISS YOU」とは思いもしなかった。従来のパターンならラストは11曲目の「愛しい人よ」がベターだった筈だ。それほど、この曲には思いいれがあるのだろう。
A面のラストが「雨が降る」、そしてB面のラストが「'Cause I MISS YOU」。この二曲が密接な繋がりを持っているのは「雨が降る」のアウトローにこの「'Cause I MISS YOU」の映画音楽的な伴奏のストリングスが挿入されているので明瞭である。詞の世界観も悲恋をテーマにしているポイントは同じであるので、一連のコンセプトが探し出せそうだ。


「傘の花に肩を押され 僕は何を探してるのだろう」


13「ビルボードで鳴くカナリア(GOTA Re-mix)」ボーナス・トラック。通常版のみ収録。

シンプリー・レッドで活躍し、世界的な評価も高いドラマー・屋敷豪太氏によるリミックス・ナンバー。予想に反し、原曲に忠実なリミックスになっているので聞きやすく仕上がっている。個人的にはオリジナル版よりもこちらの方が好みである。ボーナス・トラックなので、あくまでもお遊び的な一曲である。本編ラストは'Cause I MISS YOU」であることを頭においてこの楽曲を聴くべし。

卓偉は2002年にロンドンに滞在した際、豪太氏と出会い、いつか仕事をしたいとFCの会報で語っていた。なので、今回の豪太氏のゲスト・ドラマーとしての参加や、リミックス作業の着手は感無量だろう。豪太氏はロンドン在住なので、卓偉の次回作は彼の夢であるロンドン・レコーディングであってほしいと願う。

以上でアルバムは幕を閉じる。アルバムの総評としては第一に聞きやすさを念頭において作られているのが伺える。それでいて、単に「ロック」というジャンルに収まれない曲が存在し、中島卓偉本人の意欲も感じられるアルバムだ。

しかし、卓偉は「TAKUI時代にやれなかったことは全てやり切った」と、述べていたが果たして本当にそうだろうか。まだまだ、未開発な音楽ジャンルが彼の中で眠っているはずだ。次の作品では本格的なジャズやボサノヴァ、レゲエなどありとあらゆる音楽に貪欲に挑戦して欲しい。なぜなら私は中島卓偉の声はどんな曲の上にも乗ることができるルールレスな魅力を秘めていると思うからだ。

次回作への期待も膨らむ、中島卓偉のファースト・アルバム。未聴の人は是非、この世界にどっぷり浸かっていただきたい。

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「ポップソングは素晴らしい」という一言に尽きるポキ!!「ポップソング」はただマーケットを意識したという意味ではなく、「ポピュラーなヤツら皆が音楽を通して繋がろう」という意思によるものだ。

「ピアス」は中学卒業、また初めてTAKUIライブに行った時の思い出の曲だ。当時(廃りつつあったが)ビジュアルシーンの影響で悲しいかな「ビジュアル系」にカテゴライズされてしまったTAKUIさん。しかし「ピアス」は良質で普遍的なポップソングだべ!?(それ以外あまり知らない↓↓)「初めて君のピアスに貪りついた時気付いたことがある」こんな歌詞はなかなかないな。
うーん。やはりTAKUIは中学卒業までの記憶がメインだ。ノスタルジー。今でも覚えとる。シングル買ったしね。
2006/06/04(日) 23:45 ポキ URL [編集]

読んでます

アキオさんコンバンワ
ココは同じ映画好き、卓偉好き、として(笑)
いつも楽しく拝見しています
自分のサイト以外で書き込みをするのは初です
アルバムレヴューも楽しく拝見しました

これからも期待してますので頑張って更新して下さいね
2006/06/05(月) 00:02 takufan URL [編集]

ポキポキ>ポキはDUMMY FAKE ROLLERSツアーの大阪公演と、FM802主催の『ロッキンデイ』というイベントに参加してくれたな☆あなたは00年~01年のTAKUI創世記に応援してくれた影の立役者だ!CDでは去年、「ひとりになることが怖かった」と「ビバロック」を貸した記憶があります。
2006/06/06(火) 02:46 アキオ URL [編集]

takufanさん>私もtakufanのホームページを頻繁に覗かせてもらっています。オフィシャルより詳しく情報が更新されてるので大変役立っております。そんな素晴らしいサイトの管理人様の初コメントを、このブログが得られるなんてとても光栄です。これからも映画ネタと並行して卓偉ネタも書いていくので、どうぞこれからもよろしくお願いします!
2006/06/06(火) 02:53 アキオ URL [編集]







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プロフィール
 

アキオ

Author:アキオ
びびっ!とキタものを Vivid(鮮やかに) 紹介していきます☆★


*中島卓偉*プロフィール

1978.10.19 / 福岡県出身/ A型

バンド活動を経て、“TAKUI”として1999年ソロデビュー。

抜群の歌唱力と圧倒的なライヴ・パフォーマンス、そして稀代のソングライティング能力には業界内・外からも定評がある。

●最新シングル
『3号線』
発売中!

●デビュー10周年記念アルバム『BEST YOURS』
~TAKUI NAKAJIMA Anniversary 1999-2008~
発売中!!←はじめて卓偉の音楽に触れるひとにオススメ!ぜひ聴いてみて♪

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