友人から真夜中のテレフォン。
話を聞くに…彼は今、燃えるような恋をしてるらしい。
普段、そういった色気話を全くしないあの男に一体何があったのだろうか!?
恋の力はおそろしや・・・。
しかも、受話器越しに聴いた彼の声は普段ならタバコでディストーションがかかった声なのに、今夜は鮮度100%のクリアーな声だった。これも恋の魔法なのだろうか。
恋の力は素晴らしい・・・。
そんな友人にお勧めの映画は『ドンファン』(1995)
自分のことを愛の伝道師・ドンファンだと思い込んでいる男が老精神科医の元で過ごした日々を描いたストーリー。
ドンファンに魅了された周囲の人々が忘れかけていた愛の素晴らしさを徐々に取り戻していく…という現代のおとぎ話です。
ジョニー・デップの美しさに男性も女性もIKKOも虜になること間違いなし!
ビビット☆評価
★★★★☆ ラテンのノリがちょっぴりある情熱的な話なんですが、全くドロドロせず尺も短いので楽しく気軽に観れるお気に入りのラブストーリーです。
ジョニーは『シザーハンズ』然り、こういう浮世離れした役がほんとウマイ!!

[B→BOILED 20's SIDE]
06.CHANGE MY WORLD
ゴスペルを意識したかの様な卓偉のアカペラから始まるアレンジに思わず聴き入ってしまうポップチューン。Bメロがアニメのテーマソングのようなメロディラインを奏で、これもある種、ZIGGYの影響かと勘繰りたくなる。
ザ・ビートルズの名曲「ACROSS THE UNIVERS」の歌詞の中にも登場する「"Nothing's gonna change my world"(何ものも僕の世界を変えることはできない)」という一説はソロに転身するにあたっての意思表明であろう。
07.さよなら
『傘をささない君のために』に収録されていても違和感のない叙情的なバラッド。男女の別れを綴った歌詞が美しい。ピアノが大々的にフィーチャーされており、ソロの専売特許的品と言える。
MAGGIE MAEの3rd『トリプルテンパイ』に収録されていた「Peace Of Mind」をより進化させた曲だと言えるだろう。ライブではハーモニカも添えたアンプラグド形式で演奏された。
08.ドッペルゲンガー
まるでスパイ映画『ミッション・インポッシシブル』のテーマ・スコアを思わせるような鋭利なギターとシンセの旋風的なリフが野合するナンバー。
先ほど“ハードなナンバー”と述べたが、エッジの効いたギターのバッキングは限りなくヘビーメタルに近い。打ち込み音も多用され、メタルとデジタルの融合を意識した編曲を展開している。
しかしながら、間奏ではそれらが一転し、まるでテント張りのサーカスを思わせるワルツに変化する。これはザ・ビートルズの「Being For The Benefit Of Mr. Kite!」をモチーフにしたものだろうか。日本ではBOOWYの「NOISE LIMITTER」の影響とも受けられる。
09.RAINBOW CHILD
ビートルズ・チックのコーラスが聞けるブルージーなミディアムナンバー。お金と時間があれば矢沢永吉の「アイ・ラブ・ユー,OK」、ジョン・レノンの「女は世界の奴隷か!」、ザ・チェッカーズの「今夜の涙は最高」のようなホーンセクションも交えたアレンジになったかもしれないが、こういったハードロック的なアプローチでも曲が生かせているのは立派。それだけではなく間奏でのカズーがホーンの代わりとして機能しており、ノスタルジックな詞の世界観を増幅させることにも成功している。
歌詞は卓偉が幼少時代に虹を初めて見た体験がモチーフとなっており、アルバム中、最も心を打つ出来なのではないか。小雨を浴びながら卓偉が通った保育園でこの曲を聴いた思い出が今も胸の内でさざめいている。
10.Dearest Friends
草原を駆け抜ける馬を思わせるドラムロールからフェイドインする本作のラストナンバー。この楽曲はMAGGIE MAEのメンバーに捧げたものであり、ソロシンガーとしてこれから歌い続けていく意志表明でもあるはずだ。
歌詞中の“「−はるかかなたまでー」”とはMAGGIE MAEのファーストアルバムである『OUTSIDER BOYS』の最後に納められた「one way street〜はるかかなたまで〜」という楽曲を指しており、そのアンサーソングとも解釈できるだろう。
この「one way street〜はるかかなたまで〜」の中に、“何も知らない少年達はこの街で出会った”という一説がある。その約4年後に製作された「Dearest Friends」では“時代は少年を大人に変えた”と歌っており一人の人間の成長を物語っている。
また、この曲の中には“涙”という言葉が頻繁に登場するが、それは解散ライブ終了後、楽屋でひとり泣き続けた卓偉の涙のことを指していると思われる。
誰よりもMAGGIE MAEを愛していた中島卓偉の、誰も知らない涙の理由がこの楽曲に封印されている。卓偉とメンバーにしか歌詞のすべての理解できない曲、そんな歌が一つくらいあってもいいのではないだろうか。
[Service track]あなたの空になりたい
前曲の「Dearest Friends」がバンドメンバーに贈られた曲ならば、この「あなたの空になりたい」はファンに向けたメッセージソング。解散ライブの客出しSEとして流れていたので98年の末にはすでに録音されていたことがわかる。よってMAGGIE MAE名義の楽曲だとも言える。
歌詞はラブソングともとれる様に書かれているが、歌詞の中には“忘れないでいて”“今の自分があなたを愛していたこと”などファンに対しての思いを伝えているのがわかる。特に“迎えに行くから”という歌詞は後のソロデビューを予想させるものだろう。
終わりに;CD化されるにあたって『20's CALBORN』はファンレターなどでも再録音の要望もあったそうだが、卓偉本人としては一度パッケージされたアイテムに手を加えるのは好ましくなく、その話は流れたそうだ。
が、CD化になるにあたってこれまで卓偉の数々の音源を手掛けている小泉氏がマスタリングを行っていることが歌詞カードにクレジットされているので、サウンドはテープ時より音質的飛躍が顕著であり、クリアで鮮明な音が聴けるようになっている。

1999年4月に20日にデモテープとして発売された『20's CALBORN』がこの度、CDとして再発されることになった。
卓偉が上京後に結成し、1994から活動をしていたMAGGIE MAEが98年末のライブで突然の解散宣言を発表。そこからTAKUIとしてのソロ活動がスタートをした。
MAGGIE MAEというバンドは当初パンクバンドからスタートし、徐々に力量が上がるにつれ音楽性も豊かになり、三枚目の『トリプルテンパイ』ではほとんど初期のパンクナンバーは影を潜めたスタイルに変化していた。
そして解散から約4カ月後にリリースされたこの『20's CALBORN』は更に音楽性がヴァラエティ豊かになり、歌詞の完成度、歌唱力も前作とは比較にならないほどの成長をみせており、バンド形態では出来なかったジャンルを見事消化しているといえるだろう。
このアルバムに収録されたほとんどの楽曲はバンド時代から存在しており、メンバーにも聴かせる機会もなかったもので、20〜30曲ほどのストックの中から厳選したもの。時間とスタジオミュージシャンの関係もあり、これでも自分のやりたいことを押さえているそうで、2007年9月30日に行われたライブ「過去の僕も知ってください☆夕べのカルボーンとNUCLEAR+ちゃんすわ☆」でも「ROLL UP FOR THE UNIVERSE」、「BADLY NOOOO!!!!」、「TO THE MAX」も収録する予定だったと発言していた。
本人的にはそういった不満もあるかもしれないが、若干二十歳の新人がこれだけの曲が書け、これほどまで歌え、しかもセルフプロデュースなのは驚異的な事実であり、これはひとつの事件でもある。MAGGIE MAEというバンドで培った五年間の日々が決して無駄ではなかったはずだ。
ちなみにタイトルの「カルボーン」とは骨型のカルシウムのお菓子のことで“20歳の骨格”となる意味を込められて名付けられた。
尚、テープ版ではA、B面の最後にアレンジャーでもある竹内彰氏との架空のラジオ番組が収録され、前者にはCD版には惜しくも未収録となった名曲「カップル」が演奏されている(新アレンジで再録希望!!)。
[A→FRIED 20's SIDE]
01.100万回生きたねこ
ファンからプレゼントされた佐野洋子さんの絵本『100万回生きたねこ』にインスパイアを受けたリリカルな歌詞がエモーショナルな名曲。これについて後にブログで卓偉はこう述べている。
「あの絵本には何気に、わがままな男の生き様が描かれていて、それを自分に置き換える事が出来たから感動したんだと思う。」
これまでのMAGGIE MAEのアルバムオープニング曲はすべてアップテンポであったのに対し、ソロ一作目となるこのアルバムでは意表をついての幻想的なロッカバラード。アコギのストロークとそれに絡むエレキのフレーズが切なさを強調している。
02.トライアングル
のちにシングルカットされ、デビューシングルとなった楽曲。歌詞は結婚詐欺師に騙される女性の心情を描いており、MAGGIE MAE時代から発表されてきた「what do you mean?」との姉妹作であり、ほぼ同時期に作ったと思われる。
結婚詐欺師という奇抜な設定に目が行きがちだが、最終的には“人間、落ちて行ったら結局、誰も一人だよ”というテーマが根底に込められている。これは「ALL ALONE」のメッセージと同じであり、昔も今も変わらない卓偉のポリシーが伺えるのではないだろうか。
デジタルサウンドを全面に押し出しており、イコライジングされたヴォーカルも新鮮。間奏の部分がCD版と大きく異なり、こちらはアラビアンチックなメロディや、鳥のさえずり声をサンプリングしている。
03.PASSION HIP LADY
スティーヴィー・サラスを意識した様なハードファンク色の強い16ビートナンバー。既にこの時期には存在していた「BADLY NOOOO!!!!」も同じファンクチューンなので、収録を見送ったのだろうか。
なんと言っても卓偉のハイトーンボイスが十二分に味わえる傑作で、特にサビでのファルセットの伸びは驚異的。ただ、これは全曲に通じることだが、ドラムが打ち込みでなければ更に強力なグルーヴ感を打ち出せたように思える。歌詞がエロティックなのも初の試みか。
04.6−CASTER−9
まるでフィフティーンズのバンドかと錯覚してしまうギターフレーズから幕を開けるロカビリーテイスト溢れる一曲。それゆえに「DRIVE MY LIMO」の萌芽を読みとるのは邪推だろうか。
間奏後にレゲエチックになったり、サビではメロコアビートになったり、ラストはブルージーにシメたりと、展開が目まぐるしい“ロックンロール”である。
05.BOYS LOOK AHEAD
デビューシングル「トライアングル」のカップリングに選出される楽曲。2005年の野音ライブにて“THE YELLOW MONKEYを意識した”、と卓偉が公言した様に彼らを思いださずにはいれないシャッフル・リズムが気持ちよいナンバー。
歌詞は映画『天空の城ラピュタ』をモチーフにしながらも、“Boys Be Anvicious”=少年よ、大志を抱け、というメッセージが卓偉独自の感性で見事に具象化されている。
後編[B→BOILED 20's SIDE]へ続く。